Hatena::Groupredhotchilipeppersfan

Beebo’s Juke Box Lounge RSSフィード

2010-07-15

ハンナとその姉妹(ウディ・アレン 1986)

| 18:50 | はてなブックマーク - ハンナとその姉妹(ウディ・アレン 1986) - Beebo’s Juke Box Lounge

ニューヨークに住む3姉妹とその配偶者・彼氏・家族をめぐる群像劇。登場人物は皆、すでに40代~50代と思われます。

しかし…年をとったからって成熟するばかりじゃぁないんですよね。



ハンナは穏やかで控え目な性格で、一族から慕われる一族の長女。

エリートで紳士的なエリオットと結婚し、

円満な家庭を築いています。



ハンナの夫エリオット。

妻に特に不満はないものの、

その安寧に忍び寄る油断。隙。

家庭を守ってくれる良妻賢母のハンナを裏切り、

ハンナの妹リーに溺れ、衝動的に関係を持ちます。

『ハンナは完璧すぎて息苦しいんだ…』

身勝手な男の言い訳。

そのくせ、リーと関係ができたとたん

『僕は自分で思ってた以上にハンナを愛していたんだ…』と、

妙な自己満足にひたってコロっと態度を変えてしまいます。



(beeboのつぶやき)

こっこっ…こいつ!!ワナワナワナ…



ハンナの妹、リー。

義兄が自分に恋していることは勘づいていて、

自分自身もときめいている。

しかし、自分は画家のフレデリックと同棲中。

彼が異常に嫉妬深くパートナーを束縛する男で、

働きに出て多少なりとも自立することさえ

許されないことに窮屈さを感じている。

結局、リーはエリオットの告白に応える形で、

危険な関係にドップリと溺れてしまいます。

嘘のつけないリーはフレデリックとの同棲を解消。

一人暮らしをきっかけにして

少しずつ自分の世界を広げていきます。

エリオットが簡単に

ハンナへ(元の家庭へ)と再び心変わりしてしまったことで

一時は取り乱したリーですが、

結局は市民講座を取っていたコロンビア大学で

それなりの男を見つけて幸せを得て落ち着きました。


(beeboのつぶやき)

何やってんのよー!お姉ちゃんのダンナだぞー!

しかも結局適当なとこで落ち着きやがって~ブツブツ。


ハンナのもう一人の妹ホリー。

売れない女優。

ハンナから借りたお金で友人とケータリングサービスを始めたものの、

これと思った独身建築家は友人に取られちゃうし、

オーディションは相変わらず落ちまくる。

個性的すぎるというかユニークというか、

とても可愛らしい性格なのですが、すんなり収まる場所がまだ見つからない。

ところが、いよいよどん詰まりになって

やぶれかぶれでドラマの脚本を書いてみたら、

これが巧いことヒット!

脚本家への転身が成功します。

そしてハンナの前夫、ミッキーと偶然再会しデート。

これが相性ピッタリで最終的には結婚に至ります。


(beeboのつぶやき)

えー!お姉ちゃんの元夫だよー?!

いいんかいな!!



ミッキー(=ウディ・アレン)

ハンナの元夫。テレビのプロデューサー

ハンナとは別れても『良いお友達』。

病気恐怖症のあまり、ちょっとしたことを気に病んで

『もー死ぬんだ』『どーせ死ぬんだ』と思いこむ悲観論者。

これこそ、ほんんどビョーキってやつです。

死への恐怖を克服するため

ユダヤ教からカソリック、そしてクリシュナ教へと

転々としますが、そのどれもしっくりこなかったみたい。

そのくせ病気判定が『シロ』と分かるや

街中をダンスでピョーンとはじけ飛んだり、

駆け回ったりしてます。

この人が変わり者のホリーと最終的にはくっついて。


(beeboのつぶやき)

んー…変わり者には変わり者がぴったりくるんでしょうか??

ま、まぁ本人がいいならいいけどさー



ハンナと彼女をめぐる人々。

それぞれが身勝手で、わがまま、エキセントリック。

ハンナ一人が堅実な人生を歩んでいるように見えます。

でも、どうしてだろう。

皆が何となく憎めないんだなぁ。

人はそれぞれ自分のしっくりくる居場所を求めてやまない生き物なのかも。

そう感じます。

ハンナ自身はそういうタイプではなくて、

どんな場所でも自分の居場所を見つけられるタイプ。

こういう人、いますよね。

円満で穏やかで頼りがいがあって優しいお姉さんのキャラ。


でも、多くの人はそうじゃない。

ハンナ自身だって本当はそれほど完璧ではないのかも。

人は弱くて不安定で身勝手な生き物。

そして、それを許しあって生きているのかも。



オシャレな町ニューヨークで、

スノッブな生活を楽しんでる、

知的職業や芸術家などのちょっとオサレな人たちのストーリー。


この映画の登場人物たちは、良い年した大人、中年です。

そんな人たちが

いまだに自分のパートナーや居心地の良い場所を求めて

右往左往したり取り乱したりしながら生きている。


バッカだなぁー…と

笑ったり、呆れたりしながら、

どうもこの人たちが可愛らしく見える。


映画の最後。

ウディ・アレン演じるミッキーが

「ハートは弾力性のある筋肉だ」と言います。

どんなイタイことになっても

意外とヘコたれず、結構図々しく自分の場所を求めて人は生きる。

そして、そういう図々しい人が最後には安住の地を見つけるのかも。

この図々しさ、私はとても人間らしくていいと思います。


公開当初、私はまだ17歳で、

この映画の良さというものをまったく理解できませんでした。

ただひたすら、ハンナの旦那さんが『うげぇー』というかんじで。『不潔だわ!最低な男だわ!』と思ったのを覚えています。


それもそうだよな、と今は思います。

17歳でこの映画の良さを理解したら、いくらなんでも老け過ぎでしょ。


改めて見直すと、

とてもいい映画だなーと思いました。ちゃんちゃん!

f:id:beebo_a:20090503050628j:image