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2012-01-29

ベン・シャーン クロスメディアアーティスト@神奈川県立近代美術館 葉山

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ベン・シャーン。20年ぶりに彼の大回顧展をやっていまして、見に行ってきました。前見たの20年前か。確か伊勢丹美術館だったっけ…。(違うかも)

今回は神奈川近代美術館 葉山です。

やっぱりとてもよかったです。

そして、ベン・シャーンについて、色々と新たなことを知ることができました。で、もっともっと好きになりましたよ。


【1】線のタッチについて

私にとってのベン・シャーンといえば、繊細でありながら力強い独特な線のタッチ。

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1枚の絵の中で細い線、かすれた線、ぶっとい線があって、それが非常な個性になっています。

写真だと判りづらいかもしれないけど、拡大すると…線がにじんだようになっているでしょう?

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これ、サーっと1本の線を描いてにじんでるのではなくて、短い線を少しずつ描き足してるのです…と思います。

私が昨日観察したところによるとね。

どうしてこのような描き方になったのかはよく判らないですが、

若かりし頃2度ヨーロッパに渡って絵画を学んだものの自分の求めるものが得られず、試行錯誤した結果そうなっていったらしい。

一瞬、彼がもともと石版画の画工だったことにヒントがあるかと思ったんですが、そういえば石版画って別に石を彫ってるわけじゃないですしね。

どこからこれを導き出したのかなー。結局判らないですね。


【2】構図について

ベン・シャーンは写真をよく撮ったり、新聞の切り抜きをソースファイル(ネタ帳?)に保存していました。

それを何枚か組み合わせて絵の構図にする…なんてことをよくしていました。

こんなかんじ。

写真

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完成画

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これはベン・シャーンのデザイナー気質をよく表すエピソードだと思います。その点で彼は必ずしも生粋の芸術(FineArt)のジャンルの人として括りきれないですね。作品も絵画のみにとどまらず、ポスターとかレコードジャケット、絵本の作成(挿絵&レタリング)と幅広いジャンルにわたっていますし。

おそらく、本人はそういったことを気にしたこともないでしょう。


【3】彼が描いたもの

彼は1906年、7歳のときにアメリカに移住してきました。ユダヤ人系リトアニア移民として自由の地を踏んだものの、おそらく赤貧状態で激しい差別にもさらされてきたのでは…と想像します。

彼の育った地域は当時貧しかったブルックリン地区でしたし、彼の最初の仕事は石版画の画工さんでしたし、時代的にも恐慌があったりしてますし。

激動の時代には弱者や貧者は余計ないがしろにされるのが常。

当時のアメリカで育つ・生きるということではおそらく色々な苦労を味わったことだろうと思うのです。

そのような彼の生い立ちを考えながら絵を見ると、彼の描いた絵の多くに弱者・被害者に対する強い共感、『社会に対する異議申し立て』を見て取れます。その代表的なものが『サッコとヴァンセッティ シリーズ』や『トム・ムーニー事件 シリーズ』。

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無実の罪で捕らえられ手錠でつながれたサッコ&ヴァンセッティ兄弟。彼らのまっすぐな瞳に当時の裁判所は公正といえただろうか?彼らは結局死刑になってしまいます。こんなことがあったなんて…。

彼が生涯を通して庶民・労働者を見つめて絵を描き続け、政治的な意図なく描かれた作品にもどことなく暗いムードを感じるのは、その当時の陰の部分をしっかりと見据えると同時に、幼い頃に味わった苦労や複雑な気持ちを忘れずにいたからだと私は思います。

そして晩年『LuckyDragonシリーズ』を手がけた頃には、思いは理不尽な暴力を正当化する巨大な存在への、絶望と悲しみへと昇華されているようです。

『LuckyDragon』。これは日本漁船の第5福竜丸がアメリカの水爆実験に遭遇しビキニ諸島沖で被爆。久保山愛吉さんが犠牲になったことに抗議と鎮魂の思いを込めて作られたシリーズ。

ちなみに、このシリーズをまとめて2006年に『ここが家だ』という絵本が発行されています。


原画のいくつかが展示されていました。

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この絵は、実物だととても大きくて幅1m 高さ2.5mぐらいあります。この絵からは異議申し立てより、むしろ、ただただ悲しい、切ない気持ちを感じます。どうしてこんな目にあってしまったのか。なぜ死んでいかなくてはならないのか。

この問いに対する答えは誰ももっていないし、そもそも誰も答えようとしていない。あまりに理不尽な運命を受け容れるほかない。大国の唱える虚しい“正義”に対して小さすぎる存在である久保山さん。彼をはじめとする被害者の皆さんの深い悲しみを感じるばかりです。圧倒的な喪失感と寂しさが感じられる本当に悲しい絵です。そしてこの絵が今の日本で提示されていることの意味を考えたりします。


【4】彼が描いたもの -それでも-

それでも、彼が書いた絵の数々に感じるのは、そこはかとないユーモア。

全体に暗い絵が多いものの、同時に、そこに描かれているギョロ目の人物たちやデフォルメされたフォルムそして線の独特の強弱から、深刻さよりはユーモアや暖かさを感じます。そしてこれが絵に現代的な味わいを加えていて、良いバランスになっているのではないかと思います。

その辺のセンスというものがまさにベン・シャーンなわけでして。

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ベン・シャーンはおそらく絵の印象のままの人だったのだと思います。

幼い頃若い頃は苦労を舐め悲しい思いをし、自分が恵まれた境遇になってもそのことを忘れず、だからこそ、誰かが辛く悲しいときには心を寄せずにいられない。それでも基本的には明るい人でユーモアがあり、色々なことを楽しむ気持ちをいつでも持っていた。そういう人だったんじゃないかなー。


というわけで、ますます好きになりました。

残念ながら本日1/29でこちらでのベン・シャーン展は終わりますが、(もっと早く見に行って早く記事にすればよかったよー)

名古屋市美術館  2012年2月11日(祝・土)-3月25日(日)

岡山県立美術館  2012年4月8日(日)-5月20日(日)(予定)

福島県立美術館  2012年6月3日(日)-7月16日(祝・月)(予定)

と回る予定です。お近くの人はぜひ見て欲しい。

私、3月に名古屋に行く予定があるので、実はもう1度見てみようと思ってるところです。


しかし、残念ながら福島ではいくつかの作品が展示されないことになってしまったそう。それも、原因が放射能だそうで…非常に複雑な気持ちです。これをベン・シャーンが知ったら何と言うだろうか…。

この記事

しかし、拒否した側の言い分についても一応理解はします。なので責める気持ちにはなりません。ハッキリしたことがわからない、だから駄目というのは、筋の通った説明ですしある程度仕方ない。

結局のところ、放射能というもの、または放射能という言葉について、私たちはどれだけ無知・無力であるかということの一例じゃないかと思います。

話がだいぶそれちゃいましたが、こういうことを考えるのもベン・シャーン展にまつわる話としては悪くないと思います。



さて、この神奈川県立近代美術館 葉山。ロケーション最高です。相模湾を見渡す海辺の丘に建ち、すぐ後ろにのどかな山が迫っています。JR逗子駅(京急新逗子駅)からバスで行くんですが、その途中も海辺の細い道路をくねくねと海岸線沿いにのんびり走っていく。車ある人はドライブかねて行くときっといいよ!

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美術館の散歩道から見た海。

2011-11-02

モダンアート・アメリカン -珠玉のフィリップスコレクション @新国立美術館

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新国立美術館でアメリカのモダンアートを一挙に見れる展覧会があったので行ってきました。

フィリップス・コレクション展


ヨーロッパ美術の模倣をし、そのトレンドを追っていた近代美術の夜明けから、

多様な民族が1国に集っている特殊性や

当時の国力上昇の勢い、

原野と摩天楼の両方を持つ風土を背景に、

ヨーロッパとは一線を画して発展したアメリカ近代美術。

そして第2次世界大戦で戦火を逃れてきたヨーロッパからの移民芸術家を受け入れて、

戦後はニューヨークを中心とした現代美術を世界的にリードするに至るまで。

実に見応えのある、充実した展覧会でした。



作品の展示のしかたが、大まかな時代の流れで区切って、

さらに絵画の特徴ごとにテーマをつけて見せるようにしていたので、私のような永遠の初心者にも非常に理解しやすかったのがとてもよかったと思います。当時のアメリカ音楽付の音声ガイドもナイス。



フィリップス・コレクションは元々ヨーロッパの作品もいっぱい持っていて、

今回の展覧会のためにその中からアメリカの作品を選りすぐって展示してあるわけなのですが、

このアメリカ近代美術のコレクションの充実ぶりはすごいです。

私の好きなエドワード・ホッパーもありましたし、オキーフ、ジャクソン・ポロック、サム・フランシスというビッグネームも目白押しです。



で、今回。

そういう大御所的なものもすごく良かったんですが、

『何じゃこれ?』

『誰じゃこれ?』

『これ、芸術って言っちゃっていいの?』的なものもチラホラ…

思わず絵の前で笑っちゃった作品もありました(* ̄m ̄)プッ…。

これ。

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ぐーりぐーり、ぐーりでん…♪

何なんですかね?

この赤い太陽にぐりぐりした渦巻が描いてあるのは??

《赤い太陽》byアーサー・G.ダヴ

いや、この人はどちらかという大御所のほうなんですよ!

そうなんですけどね!



それにしても…うーむ。

これを芸術と認め、評価を下した芸術評論家的な人、

コレクターのお目の高さには頭が下がりますが…

ごめん!

アタシには面白画像にしか見えないww!

これ、実物だとより一層『おもしろ画像臭』がしてるんですよ。

ぜひ実物を見てほしい。



いやーぁ、ホントすみません。

シロートがとんでもない暴言をww。



でも私、こういうの見ると嬉しくなるんです。

新しいものに会えて新鮮な驚きがあるし、楽しいし、

訳わからないもの見てると

『この絵は自由だー!と同時に、私も自由だー!』(@犬井ヒロシ)って思うんですよね。

で、なんか元気になる。

そもそも『芸術とはこういうもの』っていう決まりごとはないんだしね。


とはいえ…


いいのか?


いいのかー?!?!



ぐーりぐーり、ぐーりでん…♪

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(好評につき再掲)


こういうの見てると、

私が今まで『こ、これはすごい!』と崇拝していた抽象美術、

たとえばポロックとか

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マーク・ロスコとか

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その手のものに対する自分の評価までアヤシくなってきて、

(『あれってホントにすごいのかなー…?』的な)

そういう自分の価値観が揺らぐのも、楽しいなーと思います。




ヨーロッパとは一味違うアメリカの近代美術の発展史。

なかなか楽しかったです。




12月12日までやっているので、お時間あったらぜひどうぞ。



私の好きなエドワードホッパー。

タイトル『日曜日』


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なんと陰鬱な表情なんだ…

いったいどうしたっていうんだ、この人は…

後ろの店も空っぽじゃないか…

借金苦か…?


エドワード・ホッパーって


ポツネ~ン…としてますよね、なんか。

そこが好き。

『どうしたのかなー』っていう、そのかんじが。

『日曜日』のおじさんの行く末に思いをはせてみる私でありました。

2011-10-27

藤子F不二雄ミュージアムに行ってきたよ!

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こんにちは。

昨日、会社を休んで川崎にある藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってまいりました。

今年から

『誕生日の週には、1日有休をとって遊ぼうキャンペーン』を始めたのです。

続くかどうかわかんないですけど、

続けられるよう日頃のお仕事を頑張ります。



さて。ミュージアムへは…




新宿発小田急線登戸駅からバスが出てます。

コロ助号なりー。

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降りますボタン。

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可愛すぎて降りる時じゃなくても押しちゃうよ~!




このミュージアムは入館時間厳守でして、

14:00入館だったら14:30までにいかないともうダメらしい。

お時間前倒しで行きました。

社会人は10分前行動が基本です。

(うそ。そんなことしたことないww)



だけど実際到着したら…



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どーぉぉぉんんん!

まさかの長蛇の列~。



時間通りに行っても激混みで入館できません。

平日なら大丈夫かと思ったけど全然大丈夫じゃなかったー!

というわけで、このぶんじゃ遅刻しても問題なさそうです。

多分この列のところで追いつくよ。




中は残念ながら写真が撮れないのですがかなり見応えがありました。

待たされていた最中はちょびっとブツクサ言ってたのですが、

(↑行列大嫌い)

待ったかいあったよぉ~。




『マンガができるまで』がドラえもんとのび太の3Dアニメになってるとか、

コロコロコミックの手描き表紙イラストとか、

懐かしい漫画たちの第1話手書き原稿を最初から最後まで展示とか…

(今回の企画ではそういう展示。時期を見て入れ替えするようです。)

映画やアニメをあちこちで放送していたり

(しかも面白いとこだけ)、

各キャラクターの小道具がそこかしこにさりげなく展示されていたり。

テンション急上昇!


たとえば、おばけのQ太郎のおばQ服とかって

あれ、服なんですよね。

Qちゃんはおばけだから透明なの。

で、白いお洋服に目と口のとこだけ穴あけてるんだよね。

それを、洗濯しましたってかんじできちんとたたんで何枚か置いてあるの。

それが妙に可笑しい。

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あと、パーマンセット(キャップとマントとバッジ)が引き出しにそっとしまってあったり。

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他にもいろいろ。

そういう展示品については

小さな子が覗き込んで間近で見ることができる低い位置になっているのも細やかな心遣いを感じて、なんだか幸せな気持ちになります。

『優しいんだなぁ~(⌒-⌒)ニコニコ』って。

そして、藤子先生の作ったファンタジーの世界がこのようにディテールにまでこだわって再現されてるというのは

このミュージアムが成功する一因になってるなぁと思いました。



展示室の片隅の休憩コーナーには

パーマンマークをかたどったソファがあったり。

大人も子供も飽きる暇がないです。



また、藤子・F先生

大人向けに環境問題を扱ったSF漫画なんかも描いていたのですが、そういった作品も展示されています。

そして、その作品に込められた思いをビデオで語ってらっしゃいました。

優しい人柄、子供にむける優しい眼差し。未来への希望。

何年も前に撮られた映像なんですがそれは色あせることなく

今の私たちに直接語りかけられているような気がしましたよ。



藤子・F・不二雄ミュージアム。

大人も子供もしっかり楽しめるつくりになっていて、

藤子先生の、日本中の世界中の子供たちを愛する気持ちが

きちんとミュージアムのコンセプトに反映されてるというのが

好感度高かったです。

ドラえもんやQちゃんやコロ助だから…という以上に、

藤子先生の温かい人柄が感じられるから…という意味で

温かい気持ちになれるミュージアムだと思いました。



たった1つ心残りだったのが、

カフェで『暗記パン』を食べたいと思ってたんだけど

120分待ち!!で断念したこと。

でも、その隣にテイクアウトコーナーがあって、暗記パンじゃないけど『暗記パンラスク』ってのが売ってました。あと、『ドラえもんどら焼き』。

個人的にはこれで充分満足です。

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ドラちゃんの顔、ちゃんと見えるかなぁ?



おまけ。

2階テラスに設置してある『きこりの泉』。

“きれいなジャイアン”が皆様をお出迎えいたします。

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で、沈む時なんだけど

ゴボゴボゴボー!ってものすごい音がしますww。

この音がまた超笑える!

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ゴボボボー!



帰りはドラえもん号。

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おりますボタン

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いまは平日でさえかなり混んでるから

もうちょっと時間が経ってから行くといいかもしれないですね。

混んでるのが平気な人は今すぐトライ!

kikumimiariarikikumimiariari2011/10/27 23:39うわー!ここって元・向ケ丘遊園ですよね?以前このすぐ目の前に住んでたので
プチ里帰りも兼ねてこの日本製ファンタジックワールドにいってみたいわ~~

beebo_abeebo_a2011/10/28 06:46そうそう。向ヶ丘遊園の跡地らしいです。新宿から20分ぐらいですけど、緑の濃い、自然がまだまだいっぱい残ってるところでした。藤子先生、生田に住んでたらしいですよ。

2010-08-31

アニメーションの先駆者 大藤信郎(国立近代美術館フィルムセンター)

| 22:28 | はてなブックマーク - アニメーションの先駆者 大藤信郎(国立近代美術館フィルムセンター) - Beebo’s Juke Box Lounge

『激突!』を見て恐怖でシワッシワになったハートを癒すため、国立近代美術館フィルムセンター(長っ!)に『アニメーションの先駆者 大藤信郎(長っ!)』を見に行きました。



この人を知ったのはごく最近。

たまたまネットで展覧会情報をつれづれに眺めてたらこの絵が。カワユイー。白目がネズミ色なのを除けばね…。

f:id:beebo_a:20100603121230j:imageこれ、実物がまたカワイカッタ。



『なにこれ。ぜんまい侍そっくりじゃん!』と思って気軽に見に行ったら、この人は超巨匠だった!!


何といっても日本アニメの先駆者であります。

そして戦前から(!!)ほとんどの作業工程をたった一人でこなしてアニメーションを創作していたので、孤高の存在とも言われている人です。彼は、たった一人でストーリーを考え、脚本を書き、絵を描き(最初は可愛いいせ辰の江戸千代紙の切り絵でキャラを制作)、自宅で自分で撮影してアニメーションを作っていました。すごいですねぇ。アニメは全然詳しくないんですが1秒に30枚とか?確か相当な枚数だったような…。当時は1秒10枚。ほとんどすべてをきちんと手作りしてたようです。おぉ、まさにこれぞアニメオタクの始祖と呼ぶべきか…。


両親を早くに亡くした大藤さんには、公私にわたりお姉さんの強力なサポートがありました。彼が好きなように創作活動にいそしむことができたのは、献身的に無私の心で彼を支えてくれたお姉さんのおかげです。たまに聞きますね。昔の兄弟姉妹で、お兄さんお姉さんが親代わりになってて弟妹の影で彼らを支えているような関係が。昔の家族の絆って強いんですね。ま、ともかくそんなかんじで、いくつもの作品を二人でせっせと世に送り出していたのです。

戦前の作品

これはセル画ですね



戦前は千代紙アニメだったのですが(なんたって作った会社の名前が『千代紙映画社』)、戦後になると、色セロファンを使用したカラーの影絵で出来た美しいアニメに変化していきます。全体に一気に洗練され大人っぽくなり、可愛らしさよりは大人の鑑賞に堪える芸術性を獲得。国際的にも注目を高めていくのでした。しかし、色セロファンて…ワタクシも昔よく図工の時間に使ってたですよ。大藤さんは色んな素材を試して試行錯誤したんだけど、安くて簡単に加工出来て、しかも美しいというので色セロファンをとても気に入ってたみたいです。アニメはお金がかかりますもんね(多分)。一人で作ってるんだからその辺も考えないとねぇ。


1952年(昭和27年)に『くじら』という作品で海外の評価が高まり、カンヌ映画祭の短編映画部門に出品。ななななんと!ピカソとコクトーから絶賛されたそうです。ピカソ!コクトー!すごい~。惜しくも受賞はしなかったけどコンペで2位だったんだそうな。フランス・ロシアでもこの作品は上映され、とても高い評価を受けたそうです。この展覧会の会場ではカンヌに出品した際の出品証明書とか、向こうからの色々な問い合わせとか(相手がかなり大藤さんの作品に食いついてた)いっぱい出てました。


(ここにできれば「くじら」をはりたい・・・)



雰囲気はこんなかんじ

やったことないのですが、DVD買ったので動画をUPできたらあとで貼ってみたいと思います。


そんなこんなで、たまたま知ったこの人の展覧会は大変充実しまくったのでした。



本当に

世の中にはいろんな人がいて、色んな生きかたがあって、

そして

皆それぞれ頑張ってるんだなぁー。すごいなー…。


最終的にはそんな小学生レベルの感心しかない、

語彙貧困な自分なのであった。

2010-01-18

ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える(国立近代美術館)

| 22:28 | はてなブックマーク - ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える(国立近代美術館) - Beebo’s Juke Box Lounge


先日、国立近代美術館に「ウィリアム・ケントリッジ 歩きながら歴史を考える」を見に行きました。

南アフリカ出身の芸術家ウィリアム・ケントリッジは、ドローイングを描いてはそれをカメラで撮影し、で、同じ紙に次のドローイングを書き足してまた撮影し、また書き足して撮影し・・・という手法でアニメーションを作ったりしています。


木炭とパステルで描かれた「本物の画家のドローイング」で出来たアニメーションなので、滑らかに動くいわゆる「アニメ」とはまったく違い、1コマ1コマの密度、質感がとにかく濃い。

そして作品にはアパルトヘイト時代の暗い世相や、大きな矛盾を解決できず世界から孤立する南アフリカ全体の暗いイメージに彩られてるものが多く見受けられます。


しかし、作品の基本的な印象は、ケントリッジ自身が持つ豊かな内的イメージ、それは例えばアニメーションのイメージ展開の自由さ・荒唐無稽さ・豊富さに表れていますが、そういったものにより、政治的なものよりむしろ個人的で純粋な芸術作品に昇華されているのがすごいです。


そして、アニメーション以前にそもそもドローイングがすごい。

単なる紙に木炭+パステルでゴシゴシ描いたというものなんですけど、とにかく圧倒的な個性というか存在感というか・・・。

絵の密度がとても濃くて、見てるこちらは対峙する作品に対して、心の逃げ場というか、気をかわす場所がない。

絵にとらわれて動けなくなるかんじで、こっちも知らず知らずの間に肩に力が入って気合と集中力が増してきます。

見ている間にいつの間にかマジな対決になってる・・・。

そんなかんじ。



展覧会では、彼のアニメーションの作品や元になったドローイング、その他のもろもろを見たんですが、

午後3時から見始めて閉館時刻の5時でもまだ半分ちょいしか見られなくて、それでも結構はしょって・・・・。

ぜんぜん時間が足りませんでした。

しかもあまりに集中して見すぎたせいか、最後は頭が痛くなってしまい、私の集中力のスタミナが切れて、最終的には何を見ても頭に何も入らなくなってしまった。

脳みそが「も、もうムリ・・・」と言っていた。

なにせ日ごろ頭あんまり使わないもんだから。

容量が足りなくてね。ハハ・・・。

一度に入る量が決まってるの。


しかしねぇ、私が思うに、会場の途中に何箇所か休憩スペースを設けるべきじゃないだろうかと。

何なら1枚の入場券で2度入館できるとかね。

そういうのがあってもいいぐらいのパワーですよこれは。


私のような凡人が1度で全部見るには結構荷が重いというか、それぐらい、パワーのある展覧会だと思います。


今週末、また見に行こうと思います。

今度は早めに行くわ。


東京は国立近代美術館(竹橋)で2/14まで。

京都はもう終わってしまったけど、3月から広島でやるみたいです。

行けそうな人は見てみるといいですよー。



動画リンクこちら。でも、これで「ふーん、こんなもんか」と思ったらイカン!なめたら怪我する!



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この、落ち込んだゴルバチョフみたいなおじさんがケントリッジさんだと思う。見かけはふつーのおっちゃんだよねww。