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2008-04-27The Hellacopters

The Hellacopters "In the sign of the octopus"


バンドという形態は、しばし結婚と比較され語られる。

何年も活動をともにし、音楽という自己の内面にある感情を

曝け出し合うことは、時に大いなる喜びを、時に悲しみを

共有するという点で、苦楽をともにし、不平不満を感じること

もあれば、何者にも代え難い大切な存在であり、何者より憎らしい

存在としての「誰か」と結ばれている結婚そのものともいえる。


そして、

傍から見ているだけでは決して覗けない夫婦の秘部があるように、

明るく振舞っているようで、その実絶望と混沌で心が占められているように、

彼らにも、共に演奏し、共に笑い、共に酔っ払う、だけでない、

葛藤と軋轢と衝突が生じてきていたのだろう。


ラスト・アルバムである。

全曲カヴァーの、アルバムである。

そう、全部他人の曲を演っているのである。


一聴すると、否知らない人は一生わかんないだろう無名の楽曲ばかりを、

「じゃ、また明日」と何事もないように、いつも通りにただただ感情の

赴くままに演っただけなのである。そしてだからこそ、ここ最近にない

初期の熱気をも含んだバラエティに富んだアルバムなのである。


最後だからこそ、純粋にオリジナル楽曲を聴きたかったとか、

前作『Rock'nRoll Is Dead』で極めた彼らのみ出力可能な

ソウル・ミュージックのその先を見たかったという気持ちが

ないかと言えば嘘になるが、どれもこれも完全にヘラコプターズ流儀の、

ヘラコプターズの楽曲に仕上がっているという点で敢えてことさらもう何も言うまい。

(しかしバップのあまりにお粗末な仕事っぷりには心底失望した)

本当に業の深い、

本当に、本当にエモーショナルな音を出すバンド、

そして、お願いです、最後に日本に来て下さい。




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タイトル:HEAD OFF

国内盤 CD

発売日: 2008/03/26

レーベル: トイズファクトリー

組枚数: 1

規格品番: TFCK-87431