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2008-06-08真夜中の音楽

ここ1ヶ月のくたくたに疲れて帰宅した真夜中の音楽


1.The Ahmad Jamal Trio [The Awakenig]

2.Affinty [Affinty]

3.Bobby timmons [This here]

4.Corinne Bailey Rae [Corinne Bailey Rae]

5.Jason Mraz [We sing,We Dance,We Steal Things]

6.Mccoy Tyner [Supertrios]

7.Opeth [Watershed]

8.The Ramsey lewis Trio [Another Voyage]

9.Todd Rundgren [Something/Anything]

10.Serge Forte Trio [Hommage A Oscar]

(アルファベット順)




 要は寝る前一時間(知らぬ間に朝を迎えたというのも含む)で

俺に明日へのエネルギーと希望をくれたCDをピックアップしてみた。




1.The Ahmad Jamal Trio

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国内盤 CD

発売日: 2006/09/27

レーベル: インパルス

組枚数: 1

規格品番: UCCU-3057

 NASがサンプリングで使用した"Wave"を収録した1970年作品。

ピアノ、ベース、ドラムというミニマムなフォーマットで奏でられる

なんと美しく力強い音の連なり。さらにはそうした音の連なりが

途切れる「音のない間」まで一種「音」の一部として機能している

という点で今聴いても全く古臭くなくただ素晴らしい。

後述するボビー・ティモンズ、ラムゼイ・ルイスとともに

ジャズへの入口として自信を持って他人にお薦めできる名盤。

それにしてもジャズ・ファン乃至クラブDJはほんとレコ/CD集めは

泥沼ですね、まだ見ぬ強豪が多すぎるよ・・・。



2.Affinty [Affinty]

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国内盤 CD

発売日: 2006/12/13

レーベル: エアー・メイル・レコーディングス

組枚数: 5

規格品番: AIRBOX-001

 ジャズ、ロック、特にプログレファンの中では長い間、

「幻の名盤」として語り継がれ、原盤は現在でも超高額で

取引されているUKバンドの1970年作品(幻想的なジャケはキーフ)。

 カテゴライズするならジャズ・ロックなのだが、UK出自

らしい陰影のついたドラマティックなその音楽は、真夜中

一人で酩酊するには充分すぎる程かっこいい。

 ジミ・ヘンドリックスでつとに有名なボブ・ディラン

"ALL Along The Watchtower"のハモンドとギターとの

果てるともないドラムビートに、リンダ・ホイル(vo)の

阿婆擦れ/塩枯れ天使の声で悶絶する。

 より高度にロック/サイケデリック化したエイミー・ワインハウスか?



3.Bobby timmons [This here]

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国内盤 CD

発売日: 2008/04/16

レーベル: リヴァーサイド

組枚数: 1

規格品番: UCCO-9258

 ジャズを聴いたことのない人でも、一度は耳にしたことがあるかも。

「そば屋出前持ちが口ずさんだ」というエピソードが物語る程、特に

ここ日本では圧倒的な認知のある"Moanin'"の作曲者が、本作品の

ボビー・ティモンズである。

 "Moanin'"といえばアート・ブレイキーVerだが、ここでは

シンプルにピアノ・トリオで演奏。個人的に管楽器にはそれ程

惹かれないので、このシンプルな構成での本家"Moanin'"を大

いに支持。ここで演奏されているVerを聴くと、ティモンズが

鍵盤をまさぐりひっかき魂込めた様が想像でき、非常に感動できる。

 ファンキーでゴスペルをルーツとする彼の音楽は、非常に万人に

わかりやすく(だからこその上記エピソード)難しく考えず体を動

かして聴ける間口の広い名盤。

 ↓と顔の角度が絶妙にマッチングしているアルバム・ジャケも

かっこよすぎな1960年作品。


4.Corinne Bailey Rae [Corinne Bailey Rae]

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輸入盤 CD

発売日: 2007/02/05

レーベル: EMI UK

組枚数: 2

規格品番: X3845702

 今さらながらこの声に痺れた、

というか本気で(この言葉嫌いだけれど)癒された。

 07年度グラミー受賞アーティストのデビュー作。

 声を張り上げるのではなく、囁く様に、呟く様に、

無駄にファルセットで叫ぶカラオケ歌手なぞ及びも

しない、この説得力と包容力。穏やかで甘美な美しさ

というか、ほっと落ち着いて地に足つけて生きていけ

そうな気持ちにさせてくれる不思議な魅力。

 ハービーハンコック、マーカス・ミラーなど歴戦の

強者がこぞってコラボを望むのも納得。

 ちょっと懸り的です、この声は。



5.Jason Mraz [We sing,We Dance,We Steal Things]

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国内盤 CD

発売日: 2008/05/28

レーベル: アトランティック

組枚数: 1

規格品番: WPCR-12884

 最高傑作。デビュー時から彼の作品を愛聴としているが

何の迷いもなくそう断言する。

 ロック、ポップス、ソウル、レゲエ、ジャズを難なく

消化し展開させる楽曲と、衒いも歪みもないクリーンな声が

(クセのない真っ直ぐな声という意味では、スキマスイッチの

大橋卓哉とオーヴァーラップする)、今回一皮どころか二皮も

三皮も剥けている。

 ジョン・フルシアンテに迫ってきたんではないか、このセツナさ度。

心なしか本人がリラックスしているせいか過去2作よりソウル風味がアップ。

 "I'm Yours"が、アメリカだけでなく全世界的に支持されて

いるのも大いに納得(YouTubeでヒット率の凄まじいこと)。

 そしてあまりに儚く優しくもの悲しいコリーヌ・ベイリー・

レイとのデュエッ曲"Lucky"の前には言葉も出ない。



6.Mccoy Tyner [Supertrios]

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輸入盤 CD

発売日: 2007/10/18

レーベル: Milestone Records

組枚数: 1

規格品番: 55003

 ジョン・コルトレーンの「黄金のカルテット」として

活躍した名ピアニストの77年作品。マッコイ・タイナーと

言えば、ジョン・コルトレーン作品ではこれといって

親しみを覚えない個人的には熱さは感じるが無味無感想な

ピアニストだとの認識だったのだが、これを聴いて180度

彼の評価が変わった。

 ピアノ・トリオだけあって基本シンプルなのだが、

ここでは物凄く情感溢れるブルース風味の渋い音色を披露。

ピアノが壊れるんじゃないかと思わせる豪放磊落な後の、

はらはらと静かに、だが勢いのある山海に流れ注ぐ滝の

ような音の連続にただ息を呑む。

 ロン・カーター、トニー・ウィリアムズ、エディ・ゴメス、

ジャック・デジョネットといったジャズ・ファンにとっては

大御所・巧者が脇を固めるこのアルバム、物凄く贅沢な名盤。



7.Opeth [Watershed]

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国内盤 CD

発売日: 2008/05/28

レーベル: ロードランナー

組枚数: 1

規格品番: RRCY-21303

 最近聴いた中で唯一のメタル作品。最近全く持ってメタル、

あるいはハード・ロック的な作品には心惹かれるものがないが

(遂に長年買ってきたメタル専門雑誌もここ何ヶ月か購入せず)、

これは別。狂ったピンク・フロイド、はたまた新宿歌舞伎町で

マフィア化した(見たことないけど)キング・クリムゾン、

とでも言おうか。

 凶暴かつインテリジェンスでドラスティックなことこの上ない

プログレッシヴ・メタルを演っている(一応声はデス声ですが)。

 ただヘヴィなだけでなく、叙情的な泣きのギターと耽美な

メロトロンが突如炸裂する様は筆舌に尽くし難くかっこよい。

皆芸達者で、曲は全て長尺ではあるが、飽きさせないのは流石。

 …ただ様々なジャンルとの融合と曲のトータルな出来としては、

前作に譲るかも。



8.The Ramsey lewis Trio [Another Voyage]

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輸入盤 CD

発売日: 2004/09/17

レーベル: GRP Records (USA)

組枚数: 1

規格品番: 0002683

 何年か前に親父に教えてもらったラムゼイ・ルイスで、改めて

ジャズを聴くことが好きになった。ポップでファンキーを身上と

するこれは1969年の作品。

 ラムゼイ・ルイスという人は、その音楽性において、ある意味

ポップすぎて、わかりやすく口当たりが良いがため、中途半端な

マニアからは嫌忌されている節もあるが、とんでもなく才能溢れ

る素晴らしい音楽を創ってきたと思う。

 この後EW&Fを結成するモーリス・ホワイト(d)と

グリーヴランド・イートン(b)によるリズム隊と

有機的に絡む様は、ジャズを難解だと万人に思わせて

いるであろう複雑怪奇な音の連なりでは絶対にない。

 そこにポロポロと水滴が落ちるようなラムゼイの

ピアノの調べはあまりに優しく力強い。

 ロックを聴くのに、楽器間のコール&レスポンスに

大いなるカタルシスを得ている人、踊るために聴いて

いる人、ミュージシャンの自己表現が具現化し、音に

それが表されている様を聴く人にとっては、特にこの

ラムゼイ・ルイスという人は非常にわかりやすい形で

そのカタルシスを提示している。

 スティーヴィー・ワンダー作"My Cherie Amour"に

おけるフィル・アップチャーチ(g)-ダニー・ハサウェイの

作品でギターを弾いている人-のいぶし銀なゲスト参加に心底震えた。 



9.Todd Rundgren [Something/Anything]

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国内盤 CD

発売日: 2006/01/12

レーベル: ベアズヴィル

組枚数: 2

規格品番: VICP-63261

「rockin'on BEST 500 DISC」(ロッキング・オン社)を

買ってからますます過去の名盤探しに精を出しているのだが、

これも恥ずかしながらそれで初めて購入したもの。1972年発表の2枚組。

 特に帰宅直後よく聴いているのが1枚目[Something]の方。

 甘酢っぱく、キャッチーで且つ全曲ヒット曲といっても

わからないほどのポピュラリティー溢れるその音風景には、

何故かとてもなく深い「孤独」と「絶望」をも感じ取ってしまう。

 表層は笑顔の人が実はとんでもない絶望を押し隠している、

というような悲しさが、だからこそどうしようなく遣る瀬無く

人の心を動かすように。

 究極の一人宅録作品という意味でも、これ以上のものはまだ

出てきていないと思う。

 絶望と希望の混濁したウエスト・コースト。



10.Serge Forte Trio [Hommage A Oscar]

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輸入盤 CD

発売日: 2008/04/25

レーベル: Ella Productions

組枚数: 1

規格品番: EP-6967

 ジャズ・マニアの中では「レア盤」として有名な(らしい)

セルジュ・フォルテの1997年作品。

 ピアノ、ベース、コンガという形態で紡がれる美しいメロディーは

さらさらと流麗な一方、非常にアグレッシヴ。この清清しいタッチの

強さと粒立ちの美しさは、ビル・エヴァンス後、「エヴァンス喪失」

を埋めたとさえ言われるミシェル・ペトルチアーニっぽいな、

と個人的には思う。

 超有名曲"Moanin'"はここにも収録。

 ソウル・ファンクファンには"Funky Oscar"を強くお薦め。